極めて重たい習いごと

極めて重たい習いごと

山本則重さんによる狂言の大曲『花子』を鑑賞した。極重習といって、年齢的に精神的に技術的に、高次の段階に達した能楽師でなければ演じることの許されない曲で、後半部の謡いの連続は見るからに「極重」そうなのだが、それはあくまで演者側の問題であり (more…)

人形だから典型を描ける

人形だから典型を描ける

東西の要衝、南信州飯田と言えば人形劇の町、の前に腹ごしらえ。元力士の営む食堂には貼り紙が貼られており、なになに、本日大相撲初日につき汁物は塩ちゃんことな! おお、やったー、妙に得した感じで早くも満腹って、飯田まで来たのならそのまま名古屋場所へ (more…)

版画ファン、船を待つ

版画ファン、船を待つ

すっかり離島ファンとなっていたところに、渡りの船が出た。喜び勇んで乗船するも、月曜日だったことをすっかり忘れていた。版画村美術館は休館日で、力なくレンタカーを走らせていると、海岸端の小さな集落に出た。屋外版画美術館として人家の壁面に (more…)

最新式、古典の照らし方

最新式、古典の照らし方

怒りや悲しみを持った般若よりも、難しいのは純粋な登場人物を演じること。だから能では自然景観の描写が謡われるのだと、初回ゲストの能楽師が応えてくれた。舞台上に風景を立ち上がらせることが出来た観客は、なるほどそこに純粋を見ていたのだ。そも、なぜ山河や (more…)

熱中症気味の詩情

熱中症気味の詩情

このあいだー教えてもらった温泉ーすっごい良かったですー。でしょー。へ、山にも行ったの? あそう、それは良かった――。いつから聞耳を立てていたのか分からないが、ずっと黙っていた若人が過敏に反応し、もはや居ても立っても居られない様子で (more…)