丸腰の秋、メッカにて

丸腰の秋、メッカにて

安曇野は、アートラインを行くべきである・・・・・・。北アルプス山麓の安曇野は、数多の流れが豊かな魚を育む水の里。だがその実情は、乱立する砂防堰堤に本流は骨抜きにされ、養殖産業の効率を上げるために用いられた外来種がその中を群雄割拠するのだから、これほどぶっ壊れたメッカというのも (more…)

爽やかなる二十年

爽やかなる二十年

「爽やか」は秋の季語であるとラジオから聞こえてきて、歳時記の秋巻を捲る。——大気が澄み、万物が晴れやかにはっきり見え、心身もさっぱりする。秋の清々しさを爽やかという。確かに秋晴れは一段高く澄み渡り、秋の山の黄葉が色いっぱいに爽やかな秋の空を描いていた (more…)

絵画の世界だとしても

絵画の世界だとしても

待てば海路の日和あり——。近づく台風よりも感染症の状況を見定めて、北アルプスの長い遊行を上高地から決行。徳沢から登山道に入ると賑わいが嘘のように消えたのは、この急斜面のせいだろうか。尾根に取り付いても眺望のない樹林帯が静かに永く繁茂し、深い山域に迷い込んだことを早くも後悔させていた (more…)

尾瀬のマグネット

尾瀬のマグネット

人は別れるために人と出会うのか——。会者定離のもっとも辛い定めとは、この世で初めて出会った人との別れなのかもしれない。そう思えば、ときの瞬間すべてが愛おしく胸を突く。「思い出」は「思い出す」のではないという。「思いが出る」我知らず思いが出てしまうことに自らの意志は関与しない。ならばその思いを強くすべく (more…)

一本の境地へ

一本の境地へ

朝刊の投稿欄に寄せられた、若者の気づきに驚かされることがとても多い。トイレ掃除の手伝いを欠かさないという彼だったが、長年その理由を見出せずにいた。親や来客にトイレがきれいだと褒められるが、小遣いを貰えるわけでもなく特別なメリットはない。そもそも汚い場所であるからして (more…)