黄葉、揺らめく凪と漁業権と

黄葉、揺らめく凪と漁業権と

善光寺で腰を痛めたのだが、移動先の湯野浜温泉では週末の休みを挟む。回復なるか——。しかし、全快したのは天気だけだった。見事な秋晴れに波の予報は凪、そして大潮と絶好の条件が揃う。「知者は水を楽しみ」と涙をこらえて体を起こし、漁業権の対象から外れる県境まで上ってきたのだが—— (more…)

足りないものは

足りないものは

「目が合ったら殺されそうだった」と、武隈親方が横綱朝青龍の気迫を回顧した。あの大関豪栄道を持ってしてもこれなのだから、その恐ろしさは計り知れない。覇気なく途中休場した二大関に対して、ご時世には到底通用しない「根性論」まで持ち出して激励した解説者の言葉に鑑みれば、今の力士たちに足りないものが見えてくる (more…)

現成受用、受け入れる

現成受用、受け入れる

奥秩父の連嶺は、その延長と高度から言って、日本アルプスと八ヶ岳連峰を除けば、他に例を見ない大山脈——。甲斐、武蔵、信濃の国に跨がる秩父多摩甲斐国立公園の山岳地を、両神山より雲取山を経て、いよいよ大菩薩の嶺にたどり着くと、晩秋を抱き込んだ富士の峰の、その裾野のすべてを正面に置くことが出来たのだった (more…)

利他とは何か

利他とは何か

講演前に配られたレジュメを数頁開いて、そのまま膝元で閉じた。最澄、空海、道元などの仏教者の教えから王陽明の儒教にフランシスコ教皇の言葉まであり、一読にして目が回るも——。市民講座の講師は、今もっとも旬であると紹介された批評家の若松英輔氏。コロナ危機に直面した今、私たちのつながりが決して「利害」だけではなかったことに (more…)

おしゃべりな野営場

おしゃべりな野営場

放送が始まった海外ドラマ「アンという名の少女」。勿論、原作は「Anne of Green Gables」赤毛のアンだ。まずもってこのドラマのアンは、超リアル。——小さな顔は白く、やせているうえに、そばかすだらけだった。口は大きく、おなじように大きな目は——、80年代のドラマシリーズを遙かに凌ぐ写実的な配役は (more…)