人生即遍路その参

人生即遍路その参

先を急ぐほどに、そのつまらなさを、身をもって実感してきたが、それでも大型連休の予定は変えられない。なぜなら、予定通りに帰らなければならないから――。そんな自らの不覚を十分に知りながら、また、最初の遍路宿で「通し打ち」の充実を見せられても (more…)

人生即遍路その弐

人生即遍路その弐

午後を過ぎてから降り出した雨が、菅笠を強く叩いていた。納経所には受付時間があるので、急いで歩く。道すがら、理容店の軒先で婆さんが倒れていたと言えば、嘘みたいな話だが、濡れながら倒れていたのだから、自分でも嘘だと思った (more…)

人生即遍路その壱

人生即遍路その壱

隣家のボンは引き籠もりだが、私にはそういった事情もなく、母親なんかも一応は元気で、私自身も他に求めるものが随分と少なくなってきた。また怨憎会苦などに悩まされるでもなく、むしろ騰騰任運を識ったかもしれぬ今、即ち此処で立ち上がる生を感じているのだとすれば、なるほどこれが解脱 (more…)

ハルトゲなるオルタナティブ

ハルトゲなるオルタナティブ

BS時代劇「浮浪雲」の新之助が、「アンという名の少女」のアンに比肩するほどの新之助で、雲もカメさんも見慣れると中々良いではないか。蔵書の奥に埋もれていた浮浪雲のコミック本、ついでにCDやEP盤なんかも救出しようと棚を新調した。レコード店で。家具を (more…)

モダンな花盛り

モダンな花盛り

大行列に嫌気が差し、天を仰ぐようにして見上げた視線が、上階の常設展示入口の方にあった、彫刻の後ろ姿をとらえた。ああ、あれは絶対に佐藤忠良だと、随分遠くから、しかも後ろ姿から分かるのだから凄まじい。『若い女、シャツ』福島の県立美術館は初めてではなく、福島駅周辺には (more…)