ややこしい帰路

ややこしい帰路

帰省先からの別れも、またつらい。泣きべそをかいた孫が堪らず、一度乗車した列車から祖母の懐に飛び込んだ。涙の声につられてか、嫁も泣き出して、閑かに寄っていく。すっと胸を開いて、姑は嫁のことも抱き抱えた。孫よりもむせび泣く嫁を (more…)

まっすぐな路は寂しい

まっすぐな路は寂しい

「おまえといると仕合わせにならねえ」「おお上等じゃねえか」人気のない山中で、二人の山賊が胸倉をつかみ合う、狂言「文山立」だが、狂言は事件にしない。猛者同士、誰も見ていないところで果たし合うのは、ちと虚しい。それこそ犬死にだ。そうだ、遺書を書いてから死のうよと (more…)

枝線の処女

枝線の処女

「おー、ドーテー」一端の社会人、それも大物に挑む一廉の釣り師に向かって、童貞とは何事か。その呼び声の方に、キッつと鋭く眼を剥いて睨みを利かすも、鼻で笑っていたのはなんと女子高生で、見れば唇にでっかいピアスが刺さっている・・・・・・ (more…)

地震と転覆、そして謙譲

地震と転覆、そして謙譲

どうしてこんなことになってしまったのだろうか。一斉に鳴り出した地震速報の直後、列車ごと長く揺さぶられた。何も出来ずに私は、クロスシートの肘掛けにつかまりながら祈る、というよりも後悔していたように思い出す。どうしてこんなことに、と (more…)

それはそれとして

それはそれとして

最近、鉄道にばかり乗っているので、温泉に行っていないなーと手帳を開くも、二週間前に会津の早戸温泉を浴びていた。まあ、それはそれとして、温泉旅行へ。小浜線、舞鶴線にも乗りたいので、久しぶりに城崎温泉でも目指そうかと捲った指南書が古い方の日本百名湯で (more…)