何用あっても観る会へ

何用あっても観る会へ

とにかくビンタが飛んできたという、父親につけられた厳しい稽古の話は、いつ聞いても震え上がるほど恐ろしいのだが、同時に、自身に父がいなかったことを残念にも思わせる。昔は微塵もそんな風に (more…)

岩谷瓦斯概論綱要

岩谷瓦斯概論綱要

空路鉄路海路を伝い、雨降り島の山路を急ぐ。けれども風は佐多の岬を吹き抜けて、はや三岳につきにけり。はや三岳につきにけり――。

展望どころか、灰色の雲が島を呑み込み、ほとんど絶望という (more…)

まさにNobody

まさにNobody

どうも嘘くさい。謙遜するようにして自らを、ただの職人と称していたが、誰かが耳打ちしてくれた。今は株がどうのこうのと――。お前の仕事は何だと問い詰めればきっと、含羞もなく、ビジネスだと (more…)

無財の七施

無財の七施

都会では、ほとほと食事に困る。大衆店で大行列に巻き付かれ、老舗ではベラボーな代金を迫られた。消沈し軽食で済ませようとするも、パンはどれにしますか? トッピングは何にしますか? ポテトの味は――と、挫折すら (more…)

でたらめな約束は

でたらめな約束は

気になるカフェーの店員が誰かに似ていて、ずっと思い出せずにいたのだが、あああ!た、た、俵 万智――。どうしてなかなか、私の趣味も感性も鋭くなってきたなということで「展覧会 岡本太郎」に間に合った (more…)