アナキズムで相撲と温泉の平和を

アナキズムで相撲と温泉の平和を

正代直也の「直」は立ち直るの「直」――と、成績不振が続く大関正代に向けられた手書きの横断幕に心を打たれた。まったく関係のない、テレビの向こうの私が。だが、一番弱いときにするのが応援であり、その激励に発奮しないでは大関、いや、力の士が廃るというもの。盛り返しすぎて千秋楽、初優勝が掛かる新関脇の (more…)

シンポジウムと冷凍標本の行方

シンポジウムと冷凍標本の行方

「冷凍の標本は差し上げますので」と参加者全員に配られた特定外来生物の巨大ザリガニだったが、熱を帯びた論議に解凍され、若干臭ってきたから気が気でない。これは果たして茹でられているのだろうかという心配の他にも、どうしても持ち帰らねばならぬのか、またその場合はどのように食すのかと (more…)

古典のアンバサダー

古典のアンバサダー

メーカー百周年の新刊に刺激を受けて分解しだしたのは、24金をボディにあしらった「リールのロールスロイス」こと、アンバサダー・デ・ラックス。近年、6000番台の別注品が集中して発売されたが、釣具というよりは貴金属、もはや財産であるそれを往事のフィールドで (more…)

崇高なる出羽の豚汁

崇高なる出羽の豚汁

「知ってますよ、芋煮は地域によって味の違いがあるんでしょ?」先に言われたのが面白くなかったのか、そうではないとコミュニティーバスの運転手が口を尖らせた。

「うちなんか、牛でなくて豚ですがね。豚の、しかも (more…)

面白いか面白くないか

面白いか面白くないか

原稿を送って後に添削と一応のアドバイスがあるまではよかった。しばらく考え込んで、編集者の反応が著しく薄いということに気が付いたときすでに洪水中。まるで災害にでも遭ったような面持ちで原稿を読み返しても面白いわけがない。誰の何と比べているのか知れないが (more…)