樹氷原に埋まる修羅

樹氷原に埋まる修羅

ほんとうにおれが見えるのか—— 助けを呼ぶ声もいよいよ細くなり、吹雪がかすんで見えた頃、人の形のものがぼんやり私の前に現れて、夢幻の雪壁を震わせている。

天上との境目が分からなくなるほどに白く煙った冬の山で見失うと、不思議なことに、別の世界の様子が (more…)

共進化した沼の主

共進化した沼の主

市が運営する環境研究所のシンポジウム、基調講演は前滋賀県知事にナショナルトラスト協会。毎朝の風景だとスクリーンに映し出された自宅裏の琵琶湖湖畔の写真を指して、この水で歯を磨き、顔を洗い、そして一杯の水をそのまま頂くというから驚いた。学芸員から県知事に至るまでの経緯は水から始まる環境のあり方を考え行動すべく始まり、ついにはダム開発の中止、凍結を実現 (more…)

タフでエクストラな後遺症

タフでエクストラな後遺症

最近は何をやっているのだ、どこで呑んでいるのだと、旧友が集まれば話はいつも一緒。気になるようで気にならない、気楽な会話が冗談交じりに、どうせ今でもGOD’S GUTS聴いてんだろうと(スポーツジムでBLOW ONE’S COOLを聴いていたから動揺したが)。しかし、何に金を遣っているのだと問われてみれば、どうして薄い財布の中身までもがあの頃のままで (more…)

冷たい到達点

冷たい到達点

眼前にそびえる二つの峰が塵一つ漂わない世界の中で純粋なまでに美しく、思わずサングラスを外して仰ぎ見た友の顔に眩しさを弾けさせた。北八ヶ岳の天狗岳は同じような背格好の頂きを東西に持つ双耳峰。たおやかな曲線がその間柄を取り持つように繋がっていたので、二つの峰は当然睦まじく思えたのだが、呼吸を合わせ、そして歩幅を合わせて (more…)

絶対に逃げない

絶対に逃げない

一兵卒は楽じゃないよと深夜に一息つくも、寒波が暴風雪を伴い広範囲で荒天となっていた。しかたなく、そのまま翌日の訪問先へ向かうことにしたのだが、すでに明け方でチェックインできるホテルもなく、健康ランド的な施設も見当たらない。さぁ、困ったことになったと迷いの内で見つけたのは「ネットカフェ」だった (more…)