帰省先からの別れも、またつらい。泣きべそをかいた孫が堪らず、一度乗車した列車から祖母の懐に飛び込んだ。涙の声につられてか、嫁も泣き出して、閑かに寄っていく。すっと胸を開いて、姑は嫁のことも抱き抱えた。孫よりもむせび泣く嫁を (more…)
帰省先からの別れも、またつらい。泣きべそをかいた孫が堪らず、一度乗車した列車から祖母の懐に飛び込んだ。涙の声につられてか、嫁も泣き出して、閑かに寄っていく。すっと胸を開いて、姑は嫁のことも抱き抱えた。孫よりもむせび泣く嫁を (more…)
「おまえといると仕合わせにならねえ」「おお上等じゃねえか」人気のない山中で、二人の山賊が胸倉をつかみ合う、狂言「文山立」だが、狂言は事件にしない。猛者同士、誰も見ていないところで果たし合うのは、ちと虚しい。それこそ犬死にだ。そうだ、遺書を書いてから死のうよと (more…)
「おー、ドーテー」一端の社会人、それも大物に挑む一廉の釣り師に向かって、童貞とは何事か。その呼び声の方に、キッつと鋭く眼を剥いて睨みを利かすも、鼻で笑っていたのはなんと女子高生で、見れば唇にでっかいピアスが刺さっている・・・・・・ (more…)
どうしてこんなことになってしまったのだろうか。一斉に鳴り出した地震速報の直後、列車ごと長く揺さぶられた。何も出来ずに私は、クロスシートの肘掛けにつかまりながら祈る、というよりも後悔していたように思い出す。どうしてこんなことに、と (more…)
鴨の釜飯が美味しい市内の割烹で、時季が来たら鴨鍋の会をやろうと企図していたのだが、猟師の高齢化で、捕れてみないと提供出来ない、というか猟に出られるかも分からない。だので、釜飯の予約でよろしいでしょうか、と言われても (more…)