城の崎にて

城の崎にて

面倒な電話を聞き流しながら、右手でマウスを動かしていた。ネットニュースの報道にマウスのポインターが急停止すると、受話器は左手から力なく落ちていった。「寺門亜衣子アナ、結婚——」

まるで雪のような色白で、小柄だが元気いっぱい。時折見せる変顔がとてつもなく愛らしいNHKアナウンサーのお相手は (more…)

坂の上の湯煙

坂の上の湯煙

坂の上の雲が、それでもまだ頂きを隠すように覆っていた。

急坂を一気に駆け上がりアルプスの稜線に立つと、森林限界を越えた別世界がさらに強く鋭く、切り立ったままの荒涼で息を呑ませた。そして雲は燻らした煙のように白馬の山頂を漂い、高所の絶景は感動のそれより身震いを誘った。畏れるようにと (more…)

信仰の山、嘘と告白の自炊宿

信仰の山、嘘と告白の自炊宿

約束の時間になっても友は来ず、連絡もない——。

北アルプス登山に向けてのトレーニングで、今回は出羽三山、信仰の山である月山を選んだ。肘折温泉から登り、途中の避難小屋で一泊。翌日に山頂で参拝を済ませて、麓の月山志津温泉に降りるという長い道程。当日は未明の出発を強いられていた (more…)

みちのくの混浴

みちのくの混浴

やっぱりいい湯だと、黒湯温泉でいつになく浮かれ気味。鼻歌交じりで茅葺きの自炊棟を曲がると、おおお!すごいカワイイ子が!思わず二度見して、三度見で見抜いた。これは堅気じゃないなと。おおお!しかも、混浴風呂の方へと向かって行くではないか—— (more…)

飛騨路で憂う

飛騨路で憂う

今年もAMラジオから「夏休み子ども科学電話相談」が聞こえてきた。子どもたちの疑問の中には、本質を問い出すような鋭い視点から考察されたものがとても多く、思わず聞き入ってしまう。的確に答えていく先生方の豊富な知識もさることながら、かなりネイティブな関西弁(京都弁?)を (more…)