Posted by mdfactory on Nov 25 th 2025 Desire 煩悩を滅するために、ロリンザーのホイールは捨てた(!)のだが、カールソンのものだけは、なんとなく捨てられずにいた。それを思い出し、冬用のタイヤを組もうと引っ張り出してきたところに、生じてしまったではないか、煩悩が。古い物なら価値も高まろうが、中途半端に古く、しかもワンピースの代物に価値はない。それでも程度は悪くないし、なにより嫌いじゃない。腐っても一級品だからオーゼット製で、やはり威圧感が違う。それに比べて純正品は、驚いたことにボルベット製で、ロナール製だと思い込んでいたばかりに、恬として居られなくなった。切りがない。楽しいが、切りがないから、もうやめにしようとしたところで、私はまた塵埃に塗れてしまうのか。それとも、煩悩それ即ち菩提心。この気付きを、私は生ききることが出来るのか。
Posted by mdfactory on Jun 19 th 2025 Anti system アンチシステム! 絶叫していたハードコアパンクバンドが、ライブハウスの暗い階段を上がって来るや否や、「もしもしーお疲れさまですー」最新式の携帯電話のアンテナを伸ばして通話し始めた。 玉造温泉の観光旅館で夜ごと披露される安来節は、唄い継がれてきた民の謡いではなく、余興に堕している。それでも、ザクザクザクと振られた銭太鼓は意外に危うい音色で、烈しく弾かれた三味が鋭く、鼓の高音が天井まで突き抜けると、歌い手は唸りをあげた。 突如として、観光旅館の柱が十字架を浮かび上がらせ、照射されたライトの影で不気味にはためいた。すると、どこからともなく、頬っ被りのどぜう掬いが現れたではないか。 これだ! これが、アンチシステムだ!
Posted by mdfactory on May 4 th 2025 Fools car 若い頃は、車も自分の一つであるかのように思っていたのだが、ということは何か。阿呆だったということか・・・・・・。
Posted by mdfactory on Jun 11 th 2022 Live one day at a time ひんやりさっぱり「美味しいね」と見合わせていた顔に、先を急ぐハイカーのつぶやきが問われた。 「詰め替えてきたの?」 応えに窮していると「コンビニのでしょ?」 いいえ。そんなに雑に、生きていません。