Posted by mdfactory on Jul 2 nd 2016 Japan and the Japanese 生温い風が石畳の路を吹き抜けた。 軒先の灯籠を揺らしてから舞い戻ってきた風が首筋を伝って外耳に触れると、不思議なことに、聞こえるように思えば、聞こえてくるような気持ちにさせた。 ついさっきまで響いていた外湯に向かう下駄の音は消えている。静かな山里の湯治場はもうすぐ盆を迎えようとしていた。 大声の中にいれば、自ずと大声になる。それではあまりに疲れるだけでなく、語らずとも聞こえてくるような大切な声を聞き逃してしまうのかもしれない。
Posted by mdfactory on Jun 28 th 2016 Gift with 終点へ向かう鉄道はレールのつなぎ目に大きく揺れる。時折、ピィっと悲鳴のような短い警笛を鳴らして、帰省客を乗せて走る。