Posted by mdfactory on Jun 11 th 2022 Late autumn 時雨を急ぐ紅葉狩り、深き山路を尋ねん―― 小屋を叩く雨音に逡巡していたが、飛び出せば秋風索寞の山は霧襖に開かれた。 道はすでに拓けていた。
Posted by mdfactory on Mar 10 th 2021 Over the great ridge 「あんまり山が物凄いので」と、詩人は物語の中に著した。 一面を盲目の純世界に仕立てていた雲の中から、音もなく顕れた山の稜線に息を呑まされた。 とこしえに続く緑の上にあふれ出した刹那の赤が、洪水を引き起こして胸の内に迫り来る。 なんとか絞り出したその言葉だったが、感動というよりはむしろ畏れに近かった。
Posted by mdfactory on Dec 7 th 2020 Have a wandering 迷いのうちに見出したことが縁になる それはジプシーが唄うに希望があるように 彷徨いが落陽に導かれて行くように 生きるための歩みを知らなくてもよいが 導かれていることに気付かなければ 彩られることはないだろう
Posted by mdfactory on Jul 3 rd 2016 Invisible summit もっともらしい顔をして話しかけてくるのは、不自由な生き方だ。 少し大げさな道徳や振りかざされた正義だってそうなのかもしれない。それでも誰かの言葉に寄り添えば安心で居られるから、誰かと同じであることがたとえ不自由の中にあったとしても、やっぱりそのもっともらしい話に耳を傾ける。 アナタの選べなかった自由がいつしか溺れた酒にため息まじりで嘆くとすれば、運命——といったところでしょうか。 運命なんて、いつでも自分の手の中にあるのにね。