Over the great ridge

Over the great ridge

「あんまり山が物凄いので」と、宮沢賢治は物語の中に著した。
一面を盲目の純世界に仕立てていた雲の中から、音もなく顕れた山の稜線に息を呑まされた。
とこしえに続く緑の上にあふれ出した刹那の赤が、洪水を引き起こして胸の内に迫り来る。
なんとか絞り出したその言葉だったが、感動というよりはむしろ畏れに近かった。
Have a wandering

Have a wandering

迷いのうちに見出したことが縁になる
それはジプシーが唄うに希望があるように
彷徨いが落陽に導かれて行くように
生きるための歩みを知らなくてもよいが
導かれていることに気付かなければ
彩られることはないだろう
Invisible summit

Invisible summit

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もっともらしい顔をして話しかけてくるのは、不自由な生き方だ。
少し大げさな道徳や振りかざされた正義だってそうなのかもしれない。それでも誰かの言葉に寄り添えば安心で居られるから、誰かと同じであることがたとえ不自由の中にあったとしても、やっぱりそのもっともらしい話に耳を傾ける。
アナタの選べなかった自由がいつしか溺れた酒にため息まじりで嘆くとすれば、運命——といったところでしょうか。
運命なんて、いつでも自分の手の中にあるのにね。