Posted by mdfactory on Apr 28 th 2025 Unknown 黒部の圏谷で問うた。誰よりも先に大河の一滴で露命を繋いできた先達に、その悠久の道を問うも「知る者は言わず、言う者は知らず」
Posted by mdfactory on Apr 28 th 2025 Standard language 西日が傾いて、共同浴場の湯船の上で揺らめいていた。先客が二人、親子だろうか。静かに語られていた息子の言葉は、いつの間にか私たちが忘れてしまった言葉のようであったが、父親は息子の話を聞いて、甲斐甲斐しく息子の体を洗い、手を引いて湯船に導いた。 私も静かに身を落とすと、西日もまた湯船に沈もうとしているのが見えた。
Posted by mdfactory on Jun 11 th 2022 Late autumn 時雨を急ぐ紅葉狩り、深き山路を尋ねん 小屋を叩く雨音に逡巡していたが、飛び出せば秋風索寞の山は霧襖に開かれた。 道はすでに拓けていた。