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西日が傾いて、共同浴場の湯船の上で揺らめいていた。先客が二人、親子だろうか。静かに語られていた息子の言葉は、いつの間にか私たちが忘れてしまった言葉のようであったが、父親は息子の話を聞いて、甲斐甲斐しく息子の体を洗い、手を引いて湯船に導いた。
私も静かに身を落とすと、西日もまた湯船に沈もうとしているのが見えた。