高砂や、千秋楽は徳勝龍を撫で

早くも今年度の最終回となった能楽基礎講座。大相撲初場所の千秋楽と重なってしまったのだが、演目は「高砂」で、元大関の朝潮もさることながら、謡のなかに「時津風」も出てくる。そして謡曲の最後に謡われる祝言「千秋楽」もまた、高砂が由来であると

そんな前説があり、講座はのっけから大相撲の話で盛り上がる。能楽師たちの聞き手は馬場あき子に師事する歌人で、先日に師を訪ねようとしたところ「相撲が面白いので、夕方以降にしてちょーだい」とか言われたそうな。

いや、ほんと今場所の大相撲は最高に面白かった。西の幕尻とは、幕尻オブ幕尻のこと。そこから千秋楽の結びの一番で大関戦を組まれたというのだから、ちょっと歴史的な事件でもある。そして最大の下剋上で徳勝龍、初優勝!世代交代が着実に進む中で、ベテランが見事にやってくれました。

場所中に恩師が急逝したこともあり、見えない大きな力に導かれたようにも思えたが、文句なしの相撲内容で大関を倒しての優勝。これ以上ない感動のドラマは涙なくして語れません。録画で観ましたが、しびれたよ、ほんとに。日本人だけでなく、世界中の人々は大相撲を観ないで、一体何を観る——?

 

高砂や、此の浦舟に帆を揚げて、此の浦舟に帆を揚げて、月諸共に出で潮の、波の淡路の島影や、遠く鳴尾の沖過ぎて、はや住の江に着きにけり、はや住の江に着きにけり

 

——謡っている場合じゃなかったか、俺。

(ちょっと本気で高砂を謡ってみたいので、誰か結婚式でもしねぇかなと思うのであります)