青春の切符

青春の切符

出勤するよりも早い時間に改札を通った。どっさり酒を携えて、旧友たちと乗り込んだ休日のローカル線が出発のベルを待つ。狭いボックス席で寄せ合う肩が少し照れくさいから、早く乾杯するようにと誰かが促した。 (more…)

八甲田の主峰

八甲田の主峰

先週までシカゴへ出張していたという旧友に、「遠いね!」と言われた青森出張——

夏の休暇を二つ使い、青森の温泉を集中して巡ったことがあった。井上靖の小説「海峡」の終幕の舞台である下風呂温泉は、すぐ先に津軽海峡を臨む小さな漁師町。訪れた日の海は残念ながら雨に打たれていたが、晴れた夏の夜には下風呂沖だけでなく、北海に灯された漁火までもが (more…)

伊豆の踊り子号

伊豆の踊り子号

185系の特急「踊り子」号が終点の駅で、次の出発までの間、老体を休めていた。いよいよ引退を迎えるその姿には、隔世の感があった。子供心にカッコ悪いなぁと思い続けてきた車両も、今や最後の国鉄型車両だという。私も齢を重ね、ようやく古ぼけた緑のストライプに感じ入ることができたのだが、ジーザス。何も考えずに、三島まで (more…)

俺に似合うブルース

俺に似合うブルース

Weeping in the rain——♪

細く長い作業道を抜けると、カーステレオがAMラジオの電波を拾った。柳ジョージは雨に泣いていたが、谷川岳の夜は雪になっていた。いよいよ核心部につながる入口で、手ぐすねを引いて待ち構えていたのは、月明かりも届かない漆黒の闇——。人の嫌がる仕事を異常に喜び (more…)

西ドイツは誘惑する

西ドイツは誘惑する

TTに履かせるため、ATSのDTMホイールを格安で購入していたのだが、どういう計算をしたのかオフセットを間違える。ツライチというより、ほとんどハミタイの予定だったのに、全然出てこないじゃないか——。やっぱりさぁ、schmidtのTH-Lineとかなんじゃない?と周りはやんやと言うけれども、そんなの車体より高く付くじゃないか—— (more…)