カメラの祭典

主題、副題、構図—— 呪文のように唱えていても、いざファインダーを覗くとピントが合うのは、いつも単調な視点。だから構図も同じく。。才能開花の知らせは未だ届きそうになく、ちょっとした月給なみの機材はこのまま、宝の持ち腐れで終わってしまうのか。

「本当はカメラなんか」と言いながらも、熱心に耳を傾けた人気鉄道写真家のセミナー。パシフィコ横浜で行われたカメラの祭典のお目当ては、決してモデルやコンパニオンではなかった。

持ち前のユーモアたっぷりで解説する中井精也氏。撮影技術はもちろん、その写真は情景がとても豊かで心を掴む

主題の「鉄道」ばかりではなく、風景に溶け込んだ巧みな構図だから、何を伝えたいのかが伝わってくる。考えてみれば、絵画よりも難しいのが写真のことなのかもしれない。そして、どうしたら伝えられるかは、カメラの機能やレンズの特性を熟知するのはもちろんのこと、俯瞰して全体を捉えられるか。多面的な視点にバランスよくユーモアや持ち前のセンスを散りばめられれば、個性もそこに写り込ませることができる。

魚を撮る、釣りを撮るとなれば、常に構図を考えながらの釣りは集中力を欠く。それは、撮り鉄が撮影している鉄道に乗れないのとは訳が違い、自身も釣り人なのに他の釣り人にレンズを向けるというのは拷問に近い。しかし、そこに立ってみて、初めて見えてくることがある。それは楽しさだけではなく、様々な問題も多く発見してしまうが、没頭するあまりに見落としていたのならば、それはまさに木を見て森をだったということ。カメラならでは視点が伝えること、それはまだ多くの釣り人が知らないこと。写真だからこそ、伝わることがあるのかもしれない。

まぁ、機能の設定や構図のセオリーに捕らわれるよりも、レリーズを優先。とにかくシャッターを切らないことには写真は撮れないのだからと、ユーモアたっぷりのセミナーはカメラの楽しさを第一に伝えていた。受講後はSONYのフルサイズ・ミラーレスが欲しくなるという、まんまと企業の思惑に——。

オリンパスも新機種のミラーレスを片手に。モデルよりやっぱコンパニオンだね

「一枚、お、お願いします」

モゴモゴと口ごもりながらお願いして、シャッターを切る。フラッシュはたかず、コンパニオンへの配慮を完璧に。それ故にまごまごとして、あまり近寄れないもんだから背景がうるさくなった。(じ、爺さんが・・・)

もう止めようかな、カメラ・・・